小西孝明です。

2001年に誕生したUSJこと
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン

初年度の来場者数は”1100万人”を数え
世界最速で1000万人を突破したテーマ
パークとして華々しいデビューを飾った。

しかし、2年目以降は700万人台へと
大幅に落ち込み、そこからは過去最低
まで落ち込んでいた。

そして2010年には事実上の破綻状態
になってしまった…

「もう潰すしかないか…」
そんな空気の中USJ再建のため一人の
男が選ばれた。

日本を代表するマーケターである
森岡毅氏だ。

USJの命運はこの男の手に託された。

森岡氏がまず初めに取り組んだのは
クリスマスシーズンの集客。

テーマパークにとって書き入れ時の
一大イベントであるクリスマスはまだ
まだ集客できる見込みがあった。

でも、森岡氏は誰もそれを生かそう
としていなかったと当時を振り返る。

それまで、USJがクリスマスに集客す
るためにしていたのは、、、

『昼はこんなことが楽しめて
夜はこんなことが楽しめます』

という説明的な宣伝ばかり。

一番わかりやすいのはテレビCMで、
昼はパレード、夜はイルミネーションと
やっていることばかりの説明をしていた。

一方、森岡氏がとった方法は、、、
テレビでCMを流すという方法は同じ。

ただ、今までのテレビCMに
「あること」をした。

クリスマスのイベント内容は一切変え
ずにある部分だけを変えた。

もっと大々的に変えるのかと思って
いた周りの関係者は森岡氏の起こした

あまりに「小さな変化」に呆気にとら
れていた、、、

しかし、ひとたびテレビCMが流れ始
めると、、、

来場者は前年比の倍以上に復活。
それだけでは終わらず年々来場者は増
え3年後には過去最大になった。

森岡氏は一体なにをしたのか?

答えはとてもシンプル。
クリスマスシーズンにおいて、お客さん
がこない理由を森岡氏はこう分析した。

「説明的なテレビCMでは人の感情は動
かすことができない、、、」

そこで!

ターゲットを”あえて”
『小さな子どもを持つ親』だけに絞って

彼らの奥底に眠っている感情をついた
のでした。

そう、森岡氏がやったことはターゲット
を絞り、心に刺さるメッセージを届けた
ということ。

テーマパークというのは、
・学生グループ
・女性同士
・カップル

と多くが訪れるし、皆んなが楽しめる
場所だが”あえて”その年のクリスマス
のターゲットを、

『小さな子どもがいるお父さん、お母さん』
に絞ったのだった。

全ての人にではなく、ターゲットを絞る
ことで、この「お父さん、お母さん」の
心は鷲掴みにされた。

『売れている商品は必ずターゲットが
絞られている』

いい商品・サービスを持っていると
ついついターゲットを広げてしまいがち。

多くの人に届けたいと思えば思うほど
そうなってしまう、、、

でもそれでは商品の良さが誰にも伝わ
らない。

ちなみに森岡氏が
「小さな子どもを持つ親」に作った
メッセージ。

それはこんなものだった、、、

『「きれいなクリスマスツリーを
きらきらした目で見つめる娘、、、」
「パパの二の腕を”ギュッ”と掴んで、
無邪気に笑いかける」
「そんな愛おしい娘の世界一の笑顔
を見て微笑み返す父親」
「そして親子の横顔と共に流れる
ナレーション」』

「いつか君が大きくなってクリスマスの
魔法が解けてしまうまでに、後何回こん
なクリスマスが過ごせるかな、、、」

「娘もいつか大人の女性になる、、、」
という切ない親の気持ちを見事に突き動
かした、秀逸なメッセージ。

このストーリーからわかることは、
あの大きなUSJの再建に「小さな変化」が
必須だったこと。

経営というのはちょっとしたことで上手く
もいくし、その逆もあるのです。

色々な販促の方法、集客媒体を使ってみて
いるけど成果がでない人の特徴というのは

どれをやっていいのかわからなくなってい
ることが多い。

そこで、私からの大事なお知らせというの
はその「交通整理」をすること。

つまり、具体的に課題を見つけ出すのです。

課題さえ見つかれば、その課題に対する答
えを探し実行するだけ。

その結果、行動が明確になり、成果に直結
するというワケです。

バクアゲ!
小西孝明